旧遷喬尋常小学校の位置
〒719-3214 岡山県真庭市鍋屋17−1
- 国道181号を真庭市街地を走行していると見えてくる木造建築
- シンメトリーの造形が美しい

旧遷喬尋常小学校
旧国指定重要文化財
明治40年(1907)に巨額な費用※を投じて建てられたシンメトリー木造校舎。
※ 工事費は17,984円56銭で、当時の町予算(経常経費)の2.93倍もの巨費が投じられた。
校名の由来は中国の古典、『詩経』の一節で「出自幽谷※遷于喬木(ゆうこくよりいでてきょうぼくにのぼる[※うつるともよむ])」から明親館のつながりを持つ山田方谷が2文字をとって遷喬(せんきょう)と名付けた。
二階建ての木造建築
中央棟 正面は南側
中央棟はマンサード屋根に、玄関左右を前面にせり出した上においた破風2つを組み合わせ、妻壁はヴェネツィア窓風の格子窓で飾られている。

丸い屋根窓(ドーマー窓)は校章のマークだ。
正面中央に高瀬舟をかたどった校章の入った丸い屋根窓(ドーマー窓)がある。
遠くから見ると、漢字の『立』に見えてどのような意味があるのだろうと考えてしまったが、よく見ると帆掛船だったのですね。
また、この高瀬船は、「久世」という漢字を変形させて作られているというから驚きである。
※ 久世(くせ)は、岡山県真庭市(旧久世町)にある大字、その由来は、湾曲していることを「曲」(くせ)というが、当地で旭川の流路が大きく湾曲し、その周辺地域を「くせ」と呼ぶようになり、久世の表記が当てられたとされる。

東西両翼
二階建ての木造建築で、玄関と職員室、講堂(2階)からなる中央棟の東西両翼に教室棟が伸びる左右対称型。


校舎背面から 北側

玄関を入ってすぐ
現在は一般開放をしており、だれでも自由に見学でき、台本や写真、江川三郎八が手掛けた校舎模型を展示している。
また、校舎内はNHK連続テレビ小説や、映画「ALWAYS三丁目の夕日」等のロケ地としても使用された。

感想
教育に賭ける先人たちの考えた造物である。
ここまでの小学校を作り上げた、明治時代の岡山県真庭市の人たちの熱意を感じました。
すごいですね!
ここは、バイク旅の途中で、たまたま通りかかっただけで、道路から見えたこの建物に強く惹かれてしまったというのが本音である。